名古屋 文化のみち

2018年12月12日、名古屋の「文化のみち」を訪ねました。
いつだったかお客様に教えていただいた事です。
旧林家住宅のお勝手には、お座敷や浴室から呼ぶことの出来る呼び鈴があります。(今は壊れていますが・・)ファミリーレストランのテーブルのボタンで店員さんを呼ぶ時のあのシステムと同じものです。
ある時いつものように質問形式で「これ何だと思いますか?」「実は・・・・・なんですよ」と説明したところ、お客様が「あ!これと同じようなもので作動できるものを見た事があります。確か名古屋の(二葉館)だったかな・・・。」と、教えてくれたのです。
調べてみると、名古屋の・・文化のみち・・と呼ばれるエリアにあることが分かりました。名古屋城を含む周辺の建築遺産が保存・活用されているエリアです。そこで、暮れも押し迫ったこの時期行って来ました。
文化のみち二葉館「名古屋市旧川上貞奴邸」と言うのだそうです。
日本の女優第一号と言われた川上貞奴と、あの電力王と呼ばれた福沢桃介が一緒に暮らしていた御殿です。
大正時代の建築で平成17年にこの場所へ移築・復元されたという事です。大正ロマンという言葉がぴったりの洒落た和洋折衷の建物です。
中に入ってみると、やはり、和風あり洋風あり中国風ありの洒落た造りです。見たかった呼び鈴システムは廊下の隅にセットされていました。装置の下に押しボタンがあり、それを押すとベルは鳴らなかったがNO1の蓋がパカンと開きました。
係の人に聞くと、押し方で「すぐ来てほしい」とか「何かを持ってきてほしい」とかの決め事があって、ある程度の意思の伝達が出来たそうです。
電力王の家らしく、当時の配電盤も見学できるようになっていました。
次は係の人に教えて頂き、近くにある「撞木館」に行ってみる事にしました。
この「撞木館」は、第二次世界大戦中の60回以上の名古屋空襲にも奇跡的に焼け残った地区にある建物で、陶磁器商の邸宅だそうです。
ここも「二葉館」と同じく文化のみちエリアのコンセプト通り活用されていて、私の訪問した時は将棋だったか囲碁だったかのグループが使用していました。
その次は名古屋城へ行ってみました。こちらは空襲で焼失してしまったのですが、復元が終わったばかりの「本丸御殿」を見る事が出来ました。正確な図面や写真を基に忠実に復元したのだそうです。
ここのガイドさんの説明はスピード感があって、「とてもいいな!」と思いました。天井と欄間の様子を骨格にして、奥の部屋へ行くほど「格が上がっていく様」をテンポよく説明してくれました。
まだ現役世代の50代とおぼしき男性は「リフレッシュ休暇をとってやっています」とおっしゃっていました。
人に説明するには「話の流れとテンポが大切なのだな」と思った見学でした。       K・M記