日光田母沢御用邸記念公園

2019年1月16日、栃木県の 「日光田母沢御用邸記念公園」 を訪ねました。
ある資料から、旧林家住宅の模様入りガラスの一つの模様と同じ模様のガラスが田母沢邸に使われている事が分かったからです。
調べてみると、3階の御展望室というところに使われていて、普段は中に入れないが「特別公開の期間は見る事が出来る」というので、この日行って来ました。
着いてみると、さすがに御用邸である。広い。ここは大きく三つの時代の建築で構成されています。
実業家、小林年保の別邸部分(明治期の建築)  紀州徳川家の江戸中屋敷の建物を移築した部分(江戸時代の建築) 御用邸として増築した部分(大正期の建築)
御展望室は紀州徳川家の江戸中屋敷の建物にありました。
数寄屋造りの部屋の内壁の円窓にはめられた模様入りガラスがありました。事前に撮っていった旧林家のものと比べてみました。全く同じ模様に見えます。
こちらの説明では「ステンシルという技法で型紙を当て塗装したものである。明治32年の移築時にはあったのでそれ以前のものであり、したがって輸入品である。」との事でした。
型紙を使ったものであれば、同じ模様のものがあってもおかしくはないのですが、旧林家では、同じ型紙を使ったものでも砂を擦りつけた「絵入り砂擦りガラス」とご説明していたのですが・・・。
館長さんにもお話を伺う事が出来たのですが、「エッジングではなくて塗装したものと判断している」との事でした。
うーん!
帰ってから旧林家住宅の模様入りガラスをもう一度良く見てみました。ルーペで見てみました。デジカメの顕微鏡モードで撮影して見てもみました。  どうも「何か粉のようなものが付いている」ように見えます。あちこちを詳細に見ていくと、「付いていたものが削れてとれた」ように見える部分もあります。砂を擦りつけたエッジングであれば、「削れてとれる」はずがありません。どうも「塗装」のようです。
それからのガイドでは、「絵入り砂擦りガラス」はやめて、「ステンシルという技法で作られた模様入りガラス」です・・・。とご説明するようにしました。
田母沢邸のガイドの仕方で気づいた事は、一人のガイドさんが全館連れて回るのではなく、エリアごとにガイドさんが詰めており、お客がそこに行くとそのエリアの説明をして頂ける、という方式でした。さすがに広い御用邸ですから、この方式が向いているのでしょう。
旧林家住宅でも、無料開放などでお客さんが混雑する時は、取り入れたらいいな・・と思いました。  K・M記