斜陽館

2018年5月26日、青森県 太宰治記念館「斜陽館」を訪ねました。
ここの建築は明治40年と林家と同じで、明治の同時期の建築物として見ておきたかったのです。
重文指定が平成16年で林家の平成14年とほぼ同じ頃。林家は親族が時々別荘代りに使用していた位なのに対して、斜陽館は、その命名の基になった旅館としての時期があった事が違います。
資料によると設計は堀江佐吉で、第五十九銀行等、多くの洋風建築を手掛けた人です。
行ってみて思った事は、まず、大きい事。部屋数が多い。純和風あり、洋風あり和洋折衷ありだ。銀行業務をしていた場所もあり階段は洋風である。炊事場も広く、一時は使用人も含め多くの人々が暮らしていた時期があったのだろう。太宰治の作品からもそれはうかがえる。
屋根構造がトラス構造になっている。林家の母屋も小屋組にトラス構造が用いられている点が同様だ。明治時代の「新しいものを取り入れる勢い」という感覚が共通していると言えるかもしれない。
旅館時代の名残なのか柱などに傷は目につくが、欄間や床柱、違い棚に調度品、洋風階段など、確かにどれも素晴らしい。私の「感性のキャパ」が小さすぎたのか、全部見終わった頃には精神的に満腹になり、ちょっと疲れてしまった。    K・M記