伊豆の長八美術館

2020年3月15日、伊豆の長八美術館を訪れました。
いつだったかあるお客様が旧林家住宅の洋館にある漆喰細工を見て「長八ですか?」と尋ねられ、「これは諏訪地方の左官の仕事の様です」とお答えしたのだが、その話の延長で「伊豆の長八美術館」が松崎にあります。と、教えて下さった。
入江長八は1815年(文化12年)に松崎に生まれ、1889年(明治22年)に没した。江戸に出て左官業をしながら狩野派の絵を学び、別に彫塑の技も修めている。左官にそれを生かし漆喰芸術を完成させている。漆喰細工(鏝絵)をもって「長八」と呼ぶこともあるほどである。作品を見ました。入館する時に虫眼鏡を貸してくれた。それほど細部まで表現されている。私は漆喰細工といえば、各地の洋館の入り口や天上にあるレリーフ状の物やその延長位に思っていたのだが、「長八」のものはもう建築装飾の域を出ている。それだけで一つの芸術として完成している。西洋の「フレスコ画」か「長八」である。(と思います)
「伊豆の長八美術館」は設計者が建築界の賞を受賞しているし、古来の左官技術と新工法を調和させた建築で、建物も素晴らしいです。     K・M記